舞台装置

ずいぶん前から、海外旅行のたびに小説を持っていくようにしている。普段読まないけれど、あらすじを聞くかぎりではレールの継ぎ目の通過音や浜辺の波音にリズムが合いそうな小説をバッグに詰める。ことにしている。

バリ島ではカミュの『異邦人』、タイでは村上春樹の『海辺のカフカ』とこの冬に読んだフィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』。
そして今回はヘミングウェイの処女長編『日はまた昇る』を持って、カフェをへめぐり歩いていた。だから2回も繰り返し、カフェ噺をblogに書いちゃうんですね。気づかずに。

困ったことに香港といえばウォン・カーヴァイ監督の『天使の涙』のイメージが強く、夜中のカフェでロスト・ジェネレーションズな小説のページをめくっていると、どうしても頭の中にあの映画のエンディング・テーマソングが流れ出してきてしまう。ヒロイックでパセティックなのは百も承知だけれども、僕の親愛なる小人さんがチョイスなのだから致し方もない。まあ、どんなに夜が更けたところで、街にはさすがにマッサージできる豚なんて置いてはいないのだけれども。

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