習作

習作僕のエートスって奴だ。
詩を書くのが最低な行為というのは自覚しているつもりなのだけれども・・・。


君に伝えたいと
彼の刹那に宿った定点の電気記号

其の在処を君に伝えようと
其の座標の正確な数字を

緻密な論証は善意の顕れ
枡目細かな方眼紙を睨め
3コンマ1。
児戯に似た出帆
3.2コンマ1.4。
未だ辿り着け無い
3.27コンマ1.49。
伝えるに時間は短か過ぎて
全ては其うして何も伝えられず

奮苦して無限のアリアを唱和
真実は何時も遼遠の彼方

証明は無垢に近付くだけの無為
切磋琢磨する薄ら馬鹿

君に伝えたいと
彼の刹那に宿った定量の電波振動

其の形容を君に伝えようと
其の信号の光塵の多寡を

僕は認識を篩で捨象
明滅の有無だけは届けたいと念じ

如何なる詞に君は反応する
何処の音楽に忘我して棒に成る

上手な暗喩は暗譜の不確かさ
ぽろぽろと音符が零れ出て逝く
着到の瞬間比喩は希有なれど
されど目的無き只のお飾り

学者の論説は何処にも到達せず
作家の麗文は空っぽの速達郵便
道は何時だって繋がり何時だって不確か
神は何処にも居り此処にさえ姿を見せぬ

此れでは恰も独逸軍の符牒

暗号は伝達の拒否と隠匿
然し伝えたくとも暗号に成る
何れ劣らぬ同値なる境地

聖哲の碑文を解明すると
浮上した文字は「判読不可能」

何を伝えられるのだろう
即ち此れは「白い余白と黒インキ」
意味は有り
意味は無し。

此れは恋情にも似た撃壌の詞
然る文豪は詩を書かぬと云った
詩とは努力の放棄の賜物
美味なれど禍々しき紅色の猿肉

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