『つよい日本』

今年の流行語大賞は「マニフェスト」だなあと思う今日この頃。昔こんなサークルで、スーツ着てカッコつけた学生時代を送らせていただいたおかげで、僕にとってはあまり目新しい言葉ではないのだけれども。

マニフェストといえば民主党だろうけれど、そのキャッチコピーは『つよい日本をつくる。』だそうだ。何だか代理店の臭いがプンプンする。「つよい」も「つくる」も平仮名なあたりが。
それはさておいて、結局民主党も、強い日本がコンセプトなんである。戦後数十年「よわい日本もがんばる」というコンセプトで未曾有の経済成長を果たした時代を振り返るにつけ、強い日本が本当に国益に適うのかどうか、はなはだ疑問ではある。別に弱国になる必要も無かろうけれど、強さを求める風潮と、経済不況は明らかに見事な相関関係にあるのだろう。これではただのはけ口国家主義だ。
戦後の日本の外交と国家戦略をもう少し正確に言えば「それほど強くない国として生きていこう」であり、それは今にして思えばもの凄くポストモダンな哲学であったわけで、なぜ今それを捨てねばならないのだろうか。北朝鮮なんて、日本が弱かろうが強かろうが、どうせあと10年もすればひとりゴケする国家なんだし。中国だって日本の国力に関係なく、どのみち経済成長路線が成功(失敗したら今のまま)すれば圧倒的な大国のヘゲモニーを手にするんだろうし。政治家や評論家や胡散臭い言論人がやいのやいの騒ぐ日本の脅威なんて、所詮その程度なものだろう。日本の強さになんか、全然関係ない。

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