新宿スパーク

ドライブの荷ほどきも早々に、新宿に出る。少し時間があったので、数日前に聞きかじった「ISETAN MENS」が良いという情報に従って靖国通りを歩いていたら、都合良く友人から電話が入る。彼のナビゲーションに従って無事到着。あと少しで、マルイメンズのドアを勘違いして開けるところだった。

やれやれ。

COMME des GARCONSのコ・ブランドで、Tシャツが5,000円。思わず衝動買いしそうになったけれど、それって「価格+記号=お値打ち」 という、かなり情けない状態なのでさっさと見切りをつけ、Levi’sのプレミアムとagnes bのサマーニットを買う。ああ。本当に欲しいものってどこにあるんだろう。昔街中を汗だくになってバーゲン経巡り歩いた気力と財力がどこかに飛んでしまっている。
・・・財力は昔よりかは確実に上がっているはずなのだけれども、たぶん僕の感覚がデフレしちゃったせいなんだろう。ここ5年くらいで、出掛ける前に想定する、パンツの価格が半値近くに落ちました。

その後、友人から譲り受けたチケットで「空飛ぶ雲の上団五郎一座:キネマ作戦」を観劇。

脚本:いとうせいこう/井上ひさし、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、筒井康隆、ブルースカイ、別役実(五十音順)
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
映像:上田大樹
美術:中根聡子/安齋肇、しりあがり寿、なんきん
出演:いとうせいこう、くりぃむしちゅー、住田隆、原金太郎、三宅弘城、杉村蝉之介、池谷のぶえ、憩居かなみ、FLIP FLAP

というかなりとんでもない面子なのですが、数珠繋ぎオムニバスのコメディーを、映像とミックスして最後まで突っ走るというスピード感が良かったです。シュールな笑いについていけなくても、乗ってしまう列車という感じ。
客席の笑いのツボが甘いなぁ、とか、もう少しエンディング前にタメが欲しかったなぁ、という感想は、たぶん関西小劇団の芸風に慣らされていたせいなんだろう。最後に即席コントをやらせたりしていましたけれど、ああ業界ノリだなぁと思って新宿のシアターアプルの端っこに座っていました。音響が今ひとつなのを除けば、箱の大きさが程良くて、ストレスなく2時間楽しめるステージでした。

その後は歌舞伎町を横切って大江戸線のホームに向かったのだけれども、相変わらずこの街はすげぇ。と思う。たぶんアジア中で一番アジアなストリートになったんではないだろうか。街中にピンクなお店が建ち並び、瀟洒な飲食店の7割はフランチャイズ・チェーンで、バリのヒッピーよりイカレた格好の老若男女が携帯片手に蠢き回り、中国語とタガログ語が裏路地を交叉する。大嫌いな街なのだけれども、背中を押されたら、いつか大好きになってしまう予感がする。それで僕は大好きな香港やバンコクの街並みを思い描いてみようとするけれど、何時だって記憶は、目の前のリアルに比べれば、薄ぼんやりと霞のかなた、ああ、こういう時に海馬へ電極ぶっ刺して記憶をプロジェクタに映し出せたりしたらいいのに、と突拍子もなく思う。そんな『映像を見ている記憶』をまた映写したりしたら、こんどはどんな光景になるんだろうと思う。

やれやれ。

人混みに疲れたので、カフェでクロック・ムッシュを食べながら、「ウィリアム・バロウズ : 裸のランチ」を読む。選択肢としては話の流れ上最高なのだけれども、日曜夜10時の時の流れとしては最低の結末だ。・・・土曜日だったらいいのに、と小学生みたいな所感を抱きながら地下鉄のホームを降りながら、サンドイッチでぽっこり出たおなかにびっくり。本日の服は間が悪いことにまだ痩せていた頃に買ったPaul Smithのカットソーなので、ウエストのラインがインド人の腹のように浮かび上がっている。この分だと、今日買ったアニエスもやばいな、と、思考ラインが本日初めて現実世界に着地。ぱちぱちぱち。月曜日に向けてソフト・ランディング、ってところだ。

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2 Responses to 新宿スパーク

  1. WILL のコメント:

    語り部ダネ。

  2. 森島 のコメント:

    煮えたお鍋になってました。ぐつぐつ。

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