web2.0を名乗る会社なら、文化を壊さないでほしい

この件については、以下のエントリでも追記しています。

近江商人 JINBLOGさんのエントリに興味を持って読んでみた記事が、

ジョーカーピース、ブログ向けのコンテンツ連動型広告サービス「A-walk」を開始

(前略)
記事を解析する技術は、ジョーカーピースが運営するブログサービス「ぶろぐま」のオートトラックバック機能で利用しているシステムを利用している。投稿した記事を解析し、日本国内のブログ記事のほとんどを検索範囲として、その中から似ている内容の記事にトラックバックを送信する。ブログ自体でなく記事に連動するため、より効果的な広告を閲覧者に配信できる。

すでにcnetにもトラックバックがついているけれど、皆さん言うことは同じ。これはただのSPAM TB助長ツールじゃないか。この会社、何を考えているんだろう。

最近日本語のSPAM TBもずいぶん増えてきていて、あきらかにblog検索でキーワードを入れて当たったエントリへ無差別にアフィリエイトページへの誘導を貼っただけ、と推察されるものがほとんど。
別に出口がアフィリエイトでも、中身がちゃんとしていればいい。ところが彼らのほぼ100%は、店舗の紹介文をコピペしてa8.netのアフィリエイトリンクを貼り付けただけだ。

おまけに最近のblogときたら、そこらのショッピングASPや素人さんの組んだHTMLよりはるかにきれいなコーディングとSEOでページをジェネレートするもんだから、あちこちのブログを汚染するだけでなく、サーチエンジンの検索結果ページまで滅茶苦茶にしてしまう。
ちゃんと店舗なり商品なりを紹介してくれればいいのだけれども、「アフィリエイトで目指せ副収入!」みたいな屁コキ本を買ってる人たちには無縁なんだろう・・・。実際、どれだけ質が低くとも大量な商品のアフィリエイトを作りまくればある一定量はGoogle / YST経由で購入につながったりする。これがLong tailの実体化と思うと涙が出る(そういえば、BLOCK BLOGの竹内さんもおんなじこと言ってたな)。

で、それを思いっきり助長させるのがこのサービス、と言うわけだ。

狭義でのトラックバックとは、自分のnoteに関連する、と、人間が主観的に判断した上でつながるためのものであり、メカニズムの原理からすれば「あなたの記事に関連して、こういうことを書きましたよ」と、すでに世の中に存在する言説に対して自分の言い分をalertするためのものだ。つまり、「ネット上では誰でも自分の著作物をもとに、名乗りを上げて既存のテクストに物申すことができる」という非常に平等な理念を体現したものなのだ。

それをキーワードマッチという低次元なところで、アフィリエイターが大量にSpammingすることによって、TBの文化はすでに死にかけている。完全に死んでいないのは、良心的なブロガーやエンジニアたちが、SPAM排除の抗戦をしているからだけだ。

で、ここはこの会社はweb 2.0を謳っているらしい。web 2.0と言うのであれば、そのコア・ファクターでもあるLong tailの汚染についても、少し考えてほしいなあと思った。と、同社のサイトへTBしてみますよ。
実名ブログとしてはドキドキするけれど、反論その他はもちろん喜んでお待ちしています。

で、僕はSPAMに汚染されないLong tailどうしのつながり方について考えてみようっと。そっちの方が大事だな。

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3 Responses to web2.0を名乗る会社なら、文化を壊さないでほしい

  1. ピンバック: 社長でござい

  2. CNET Japan編集部 のコメント:

    いつもCNET Japanをご愛読頂きまして、誠にありがとうございます。
    編集部の岩本と申します。この度は記事へのトラックバックありがとうございました。

    すでに他のエントリーでも言及されていますが、トラックバック頂いた記事中の、オートトラックバック機能の説明について、
    「似ている内容の記事にトラックバックを送信する機能」としておりましたが、
    これは「似ている内容の記事を一覧表示し、トラックバックを送信したいブログを選択できる機能」
    の誤りでした。
    ご迷惑をおかけしたことを深くお詫びし、訂正いたします。

    記事は、外部ライターが執筆した記事を編集部が確認した上で掲載したものです。
    しかしながら、確認が至らずご迷惑をおかけ致しました。
    今後はこのようなことのないよう、編集体制を強化する所存です。

    今後ともCNET Japanを何卒よろしくお願い申し上げます。

  3. 森島 のコメント:

    岩本様

    わざわざコメントありがとうございます。
    誤解を招かないよう、この話については追記を書かせていただきました。よろしくお願いいたします。

    http://www.morishima.com/masahiro/blog-archives/000894.html

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