名言の分水嶺

喫茶店でコーヒー飲みながら読書していたら、聞くこともなく隣席の会話が耳に入ってくる。

話し込んでいるのは、年のころ僕より少し上くらいなキャリア風の女性二人組。前後の文脈はわからないけれど、
「私らの頃だったら、考えられないよねー」
と片方が言い、向かいも相づちを打っている。それが耳にとまる。そうかあ、僕もそういう台詞を口にしてもおかしくない年齢というものになったんだなあ、というところへ感慨が及んだので、彼女たちの会話が印象に残ったのだ。

「今どきの若い者などと云うまじく候」と訓戒をしたのは海軍大将の山本五十六だけど、いざオノレがそういう言葉を発する可能性がある側になりそういう場面を見てみれば、若年者がどうこうという愚痴をいう姿は、あんまりよいものではない。で、いきなりここで話は自分自身に戻るのだけれども、考えてみると「若い人はどうたらこうたら」という話、あんまりした記憶がない。と、言えば自画自賛に聞こえるのだろうが、じっさいのところ、自分がそういう年の頃と立場になりつつある自覚がいささか足りないだけのことなのだ。とほほほほ。

まもなく三十路になることが意識されて殊のほかそういう連想につながるのだとは分かっておりながら、かといえこうして雑文にオチがついたとて、もう少し大きめの話に答えが出る見込みはまったくない。どころかまだ「Don’t trust over thirty!」って叫んだビートルズのほうにシンパシーを感じていたりするのだ。
・・・後2ヶ月しか、その言葉は使えないのだけれどもね。

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