亜細亜へめぐり紀行03

2011年12月10日

早起きできた。えらいぞオレ、と、独り旅でひとり自分を褒める。
荷造りして、いざベトナムへ。今日はバスとボートの乗り継ぎで、メコン川を下る国境越え。

バックパッカー御用達の老舗旅行代理店、キャピトルツアーのカフェで、船着き場へのミニバスを待ちながら、行き交う他の旅人を眺める。こうして見ると、日本人バックパッカーの数は、やはり減った気がする。欧米人は初老でもリュック背負って旅をしている人が多い。願わくば将来、僕もそうありたいもんだ。
暇つぶしついでに、ベトナムへ入る前の予習として日本円と米ドルとベトナムドンの換算を予習。カンボジアもそうだけども、ベトナムでも3通貨の換算がパパッとできないと、切実に困ってしまう。ぼられやすくなるのだ。
ベトナムは1000ドン=¥4と桁が大きいので、覚えるのがずいぶん面倒くさい。一万円両替すると250〜270万ドン、1$が20,000ドンちょっと、1,000ドンが4円くらい…頭の中がこんがらがってくる。

プノンペンからホーチミンまでバスで直行すれば十数ドルだが、キャピトルツアーで購入したチャウドック行きのボートは21$。ほとんどの旅人がホーチミンを目指すなか、これはまさに需要と供給ってやつで、値段も高い。聞いたところ、チャウドックまでは5、6時間の旅らしい。船着き場で出発を待つ。国境でSIMカードを買えたらいいんだがな、と思う。すでにiPhoneが手放せなくなってきた。ムリならチャウドックかカントーで調達かな。

バスで船着き場に移動し、しばらく待たされてから、船旅スタート。あらためて見るとデカイなメコン川。そういえば数ヶ月前に、この上流にあるラオスのルアンパバーンに行っていたことを思い出す。感慨深い。
写真に緯度経度をつけるため、GPSロガーを持って旅している。その計測を見ると、時速30km弱で順調に航行していた。デッキにタバコを吸いに出てみると、欧米人の娘さんが日よけもない天井で寝てる。日本人の感覚からするといささか理解しがたいものあるが、日焼けしたいんだよね、たぶん。

ボートはやがてメコン川のほとりにあるイミグレーションに着き、ここでカンボジア出国。手続きを済ますとボートは再び進みはじめ、次は先に行ったベトナムのイミグレーションへ向かう。ベトナムも日本の2時間遅れなので、時計の針はそのまま。
ベトナム側に入っても、まだiPhoneはカンボジアの電波が通じる。そりゃそうだよな。
パスポートを係に預け、乗客まとめての入国の手続き待ち。そこでお昼休憩。休みは休みなのだが、売店にはポテチくらいしか売っていない。ひもじい。

戻ってきたパスポートを確かめると、ベトナムの管理官、いきなり査証ページの後ろから2ページ目にスタンプを押している。ムッとしながら、ここで小さい船に乗り換え、目的地のチャウドックへ出発。
たぶんあと1時間くらいかな、と推測。まともなものを食べられなかったので、到着が待ち遠しい。アジアの旅で、ご飯が食べられないというのは珍しい経験ではある。
そして、そろそろカンボジアの携帯電波も切れる。チャウドックに着いたら、まずは両替とSIMカード調達だな。

チャウドックに到着後、船着き場から5$の言い値、とややボラれ気味のバイタクに乗る。しかしおかげで両替を済ませることができ、SIMカードも手に入り、待つことなく次の目的地、メコンデルタの中堅都市、カントーへのミニバスに乗れたわけだけど。
代償として待つ時間もなかったため、何にも食べられないわけだが。腹減った。

ミニバスの車内は狭く、どこの発展途上国もそうだけど、詰められるだけ乗客を乗せる。席が狭くて身動きもできず、お尻が痛い。
余裕で定員オーバーの車は、猛スピードでカーチェイス。カンボジアのドライバーもなかなかすごかったが、ベトナムはそれ以上。ちょっと冷や汗をかきながら、そして僕はジリジリスペースを奪いに来る隣のベトコンと鍔迫り合い。これ以上お尻が窮屈なのは、さすがに我慢できず。

ベトナムのファーストインプレッションは、バイクがやたらに多いこと。意外に街はきれいなこと。他のアジア諸国より、カップルをよく見ること。
案外旅しやすそうな国だな、と感じる。

車は2時間以上走り、ようやくカントーに到着。ほっとするのもつかの間、取りあえずはバイタクとの熾烈な交渉からベトナムの旅が始まる。
60円で目星のホテルまで。ホテルはファンルームながら、1泊7$とのことなので即決。どう見ても観光客の僕なので、チェックインのあとは、フロントのおばさんから執拗な水上マーケットツアーのお誘いが始まる。粘ってみたところ、30$が15$まで落ちたので、ここいらで交渉成立。

チャウドックで当座の両替ができたとはいえ、日本円を両替してもらえなかったので、手持ちは心細い。日本円にして、3,000円くらいしか現地通貨を持っていない。
ドルは多少持っているとはいえ、何としても今から両替したい。近辺を歩き回るが、両替できそうな店も見つからない。
あきらめてホテルの隣にあるレストランへ。本日はじめての食事だ。そう思うと、急にお腹が空いてきた。

2011年12月11日

昨日頼んだ水上マーケットツアーに出発。ホテルのフロントまで船頭さんが迎えに来てくれる。ベトナムでは、船頭さんは女性が多い。僕の船も女性。カンさん。
小舟に乗って水上マーケットへ。あいにくの曇り空だけれども、タイあたりの観光化されたそれと違い、地元の人たちでごった返すメコンデルタの水上マーケットは確かに一見の価値がある。

水上マーケットに加え、本流から奥に入った水路の散策をして帰ってくる。船の上でフォーも食べて、メコンデルタにおなかいっぱいだ。
朝も飲んだけど、もう一度屋台でコーヒーを。噂には聞いていたけど、ベトナムのコーヒーは旨いな。高級な喫茶店で飲むコーヒーとは、また違う味わいがある。
コーヒーを飲み終わると、さっとハス茶を出してくれる。いいね、長居を厭わない、この路面喫茶文化。ミャンマーみたいだな、と思う。

1泊しただけで、今日もまた移動。ホテルが勧めるバスチケットを7$で買ったら、まあまあきれいなバスが横付けにされて、ここから直接出発できる。何かと交渉が面倒なバイタクが不要なのはいいことだ。
本日の行き先は、同じくメコンデルタ沿いにあるミトーという町。2時間ほどの道のりで、ちょっとホーチミンに近づく。
そのためかどうか、僕が乗ったバスにはツアー客が大勢乗っており、というかほとんどはツアー客のようで、どうやらホーチミンへ戻るツアーに便乗している様子。おかげでガイドさんのベトナム案内が聞けるのはありがたい。かなり訛った英語だけど。
このバスも、途中のドライブインで小休止。お昼ごはんはフォーにする。昨日から、なんだかフォーばかり食べている。今のところ、お味はタイのセンミーの勝利、と判定。

ミトーに到着。バスストップには、地方都市にもかかわらずメータータクシーが停まっている。ありがたい、と迷わず乗る。重い荷物を背負ってバイタクに乗るのは、正直怖いのだ。
しかし、乗ってみてから気がついたのだけれども、バイタクを値切るほうが圧倒的に安そうだった。メーターががんがん進む。

ホテルに荷物を置いて落ち着いてみると、ミトーはカントーより穏やかな町だな、と感じる。好きな空気が流れている。町の空気で好き嫌い、って出るよなあと思う。

町外れにある、やたら大きな観音様を見に行って、屋台街の前にあるカフェでコーヒーを飲む。ぼうっと本を読んでいるうちに日が暮れて、屋台に灯がともると、晩ご飯のお時間だ。
せっかくなので屋台をのぞいてみるが、どうも食指が伸びず、少し歩いた食堂へ。ベトナムは本当に歩いている人が少ないな。ちんたら歩いているのは数えるほどで、ほとんどみんなバイクで移動している。東南アジアの中でも、バイク率というかものぐさ率というか、ベトナムは顕著な気がする。

今日はベトナムらしいものを、と、生春巻きとベトナム風卵焼きの夕食とする。
パインセオというベトナム風卵焼きは、かりかりの卵焼きと、豚肉や野菜などの具を、ハーブと一緒にライスペーパーで巻いて食べるんだな。店の人に見本を作ってもらい、初めて知った。
ライスペーパーを何枚も食べたせいで、かなりお腹いっぱいになる。生春巻きと合わせて7万ドン。3.5$。

宿への帰りしなスーパーをのぞいてみる。ジュースが好きなのだけれども、この国では100%のジュースは手に入らないことが発覚。カンボジアにすらあったのに、と思うと、少し残念な気分だ。

Similar Posts:

カテゴリー: D:旅行 タグ: , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください