弟のバイクに乗せてもらっていた。くそ暑い中でも風を切って走るのは快感だ。後部シートでこれなのだから、自分でハンドル握るのはどれほどのことかと思う。バイク欲しい。二輪どころか四輪免許も保持していない僕にとっては、インドの山奥でクーラーを望むくらい遠い話だけれども。本当は車に乗りたい。アルファロメオ欲しい。バイクがクーラーならアルファレッドのスポーツカーは南極の氷室で、近所のトヨタレンタカーのファミリアは扇風機くらいだろうか。どちらにしろ、運転という希望に対して、僕はデカン高原くらい遠い場所に立っている。
わけわからない比喩反省。
バイクで出かけたのは、実家のそばにある「航空宇宙博物館」。なんということはない展示ばかりだったけれど、過去に人類が挑んだ無謀な飛行実験の数々を延々と流し続けるクリップが放映されており、酷暑に一服の清涼剤となっていた。普通に飛行機思いつくより難しそうな造形の数々。ああ滑稽にも誠実な発明家たちよ。あんたわえらい。
おみやげに宇宙食を買って帰る。ただのフリーズドライ食品だが、そのバリエーションには目を驚かされる。オムレツ。ピザ。イチゴ。このあたりまでは何とか理解できるけれども、たこ焼きやあべかわ餅になると本当にアポロが月に持っていったのかを疑いたくなる。よほどの通でげすな、あすとろのーつという人種は。
僕が購入したのは「アイスクリーム」。口に入れるとあらびっくり、溶けたアイスクリームの味がするって逸品だ。
冷たくないアイスクリーム。常識を覆す珍味。
科学は進歩したけれども、飛ばない飛行機とどう違うのかは説明の難しいところだ。
【かかみがはら航空宇宙博物館】
http://www.city.kakamigahara.gifu.jp/museum/