1993/11/23 家路もとい煩悩へ帰還

(太字:当時の日記より)
(細字:注釈)

03:15
 豊岡に着く。ここから向こうは行きに通っただけ、つまりここを過ぎればもう旅は純然たる帰り道。
 センチでない旅ではなかった。けれども、センチメンタル・ジャーニーなどという甘い言葉よりも、強い何かが支配していた旅だった。

 今の私には断言できる。それはまさしく煩悩が支配した旅であった。

07:00
 雲は高く、空はよく晴れている。よしよし。篠山口あたりから人が乗ってきたが、狸寝入りでとおした。

 大阪への通勤圏に入ってから、通勤客が乗り込み、車内は立ち席が出始めたのである。にもかかわらず、2座席を占領して寝続けたのである。折居での思索は何だったのだろうと、当の本人でさえ我が目を疑うような記述である。
 旅に関する記述はこのあたりで終わる。大阪からも急行を乗り継ぎ、岐阜には午前中に帰る。

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 そして恥を忍び告白すると、正確には岐阜ではなく、名古屋の街に出たのである。そこで当時の恋人と待ち合わせ、ラブホテルに行っちゃったりするのである。・・・良くも悪くも非常に素直な行動の少年ではあるが、せめてこの旅の終わりくらい、煩悩にまみれずにすむ方法はなかったのであろうか、と、キーボードをたたきながら私はため息をつくのであった。
 余談ではあるが、この少年は後に成人を記念して南禅寺の山門で座禅をし、「煩悩の世界、それもまた愉しからずや」という悟りをひらくに至る。三つ子の魂百までとはよく言ったものである。

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所詮煩悩のカタマリ。


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