1998/02/25 漫遊一日目(神戸-高松-松山)

 すでに馴染みとなったこの船は、高松はずれの東港に到着した。2000円で四国に渡れるという気軽さから、ついついふらりと乗ってしまう。あてどもない今回の旅でも、足が向いたのはこのフェリーだった。4時間と少々の船旅である。
 今回は久しぶりにシュラフ持参の旅になった。ピンキーと一緒に野宿などをして大丈夫だろうかという不安は湧かぬ でもないが、まあいい。
 東港から街までは遠い。もうすでにとっぷりと日も暮れている。停まっていたタクシーにシュラフを持って乗り込むという、妙な雰囲気から今回の旅はスタートした。

 さて、思い立って急に飛び出した旅であるからして、全く予定というものがない。フェリーに乗ったのも成りゆきまかせ、今晩どこで野宿をするかも決めていない。とりあえず、高松の繁華街に向かう。駅からは数百メートル離れた場所にあり、ここではやはり讃岐うどんが食べたい。高松には何度も訪れたことがあり、そのたびにうどんを食べてはいるのだが、あの喉ごしは忘れられない。
 繁華街をふらふらと歩き、とあるうどん屋で生醤油うどんを食べる。生醤油うどんは高松の名物で、その名の示すとおりただの醤油をうどんにぶっかけたものである。つるりとして、もちもちとした歯ごたえのうどんは、腹の空いた身にはこたえられない。
 うどん屋には宴会席もあるようで、ずいぶんと騒がしい。高松人は、宴会でもうどんを食べるのであろうか。

 高松駅にたどり着く。とりあえず、松山までの乗車券を買う。待つほどもなく列車は動き出した。明るい時間ならばため池が点在する讃岐平野が一望できるのだろうが、残念ながら何も見えない。岡山行きの列車なので、坂出、多度津と列車を乗り継いで愛媛県東部の工業都市、西条に向かう。すでに時計は10時を回っている。はしゃいでいたピンキーもお疲れのご様子で、ぐっすりとお休みである。
 伊予西条には11時30分に到着。何もない、田舎の駅である。今夜はここで野宿にしようと思う。

 ところが、伊予西条駅の駅員は無情にも、「それはかなわんなぁ」と言う。「特急があるし、松山まで行ったらどう?」とまでのたまう。都市で野宿をするのは気がすすまなかったが、駅員に拒否されたのではどうしようもない。仕方なしに、特急券を買って23時45分発の「しおかぜ21号」に乗り込む。松山着は真夜中の0時40分である。


今日の行程

阪神電鉄 新在家 13:35 青木 約10分
フェリー 東神戸港 14:10 高松東港 18:20
タクシー 高松東港 高松市街 約15分
マリンライナー58号 高松 20:14 坂出 20:30
普通列車 坂出 21:12 多度津 21:28
普通列車 多度津 21:51 伊予西条 23:30
特急しおかぜ21号 伊予西条 23:45 松山 00:40

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