シアター・ドトール

ドトールで漫画雑誌「モーニング」を読む。とあるリーマン部長(←課長から出世)のお気楽漫画に、
「会社収入と自己完結の場と割り切り、転職を繰り返すアメリカ型が理想と思われてきたが、不況下には会社が従業員を守り、従業員も苦労を耐える『相互信頼型』が安心のイデオロギーになるだろう」
と主人公がぬかす一幕があった。弘兼憲史ってのはどこぞから金でも貰ってるのか、と疑いたくなる。

そして、これが理想のサラリーマン像かつ上司像なのだという。やれやれ。
漫画という表現手段が素晴らしいのは、かなりの荒唐無稽にまで現実感を与え感情移入を容易にする点だと思う。しかしながら皮肉な言い方をすれば、こいつはなんとも読者を騙しやすいメディアだ。

隣の席ではスーツ姿のおっさんが「大前研一のアドバイス! 出来るヤツは遊び人に学ぶ!!」みたいな記事を熟読なされていた。コーヒーカップを片付けてドトールを出る時、もう一度彼の手元を見ると、頁は「これが好かれる上司だ!」に移っていた。

180円で垣間見ることのできる無常。喫茶店はまるで小劇場だ。

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