症例:日本病 年齢:27歳

所用があってひさかたぶりに祖母に電話したところ、用件もそこそこに人の懐具合を心配されてしまった。そりゃまあ、実入りが多いわけではないけれども、「あーっとそのとき」にも「たまにはババンと」にも関係のない暮らしをつつがなく送っているわけなので、いささか悲しい。
89歳と82歳の老夫婦の心配事が、青壮27歳の孫の財布の中身というのはいかがなものなのであろうか。
まあ、それが現代日本の象徴ではあるのだけれども。

ちなみに我が父母の私に対する関心事といえばこれはもう「いつ結婚するのか?」であって、よく考えてみれば、二人とも孫がいたところでおかしくない歳になりつつある。あらためて考えてみるとびっくりだ。
父と母に対する年齢感覚はだいたい45歳くらいでストップしていて、それも自身が結婚する気にもなれない要因なのかもしれない。いつまで経っても大人になった感慨よりも子供でいるマインドの方が強くて、どうも結婚して夫婦二人で自立するというイメージが湧かないのだろう。そうなったら本気で自分で稼いで生きていかなければならないではないか。いやもちろん今だってそうなのだけれども、気構えとしての問題はまた別である。
ベンチャー志向でリスクテイキングなポジションだもんねとイキがってみても、とどのつまりが豊かな(時代の香りを残す)中産階級の家庭からなかなか抜け出せない自分であることにも気がついてみる。

これはどっぷりと日本社会の宿痾に浸かっていると言えるのではないか。いつの間にか。
・・・だいたい、祖母にもこの間靴買ってもらったりしてるしな。

Similar Posts:

カテゴリー: A:Diary パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください