(太字:当時の日記より)
(細字:注釈)
豊岡から延々4時間半、米子まで引き返す。列車の中で、「何もしたくないこと」に気がつく。やっと旅も放浪らしさを帯びてきたようである。
07:40
鳥取から大挙して、部活の遠征らしき赤ジャージの女子高生が乗り込んでくる。席取りに走り回ったり、友人を呼んだりと蜂の巣をつついたような騒ぎ。ずっと騒ぎ続けている。180度の範囲がやかましい。おまけに、女の肌の脂の匂いが鼻をつく。これは「匂い」ではなく「臭い」だ。
しかし、この直後に恋人の髪の匂いを思い出しておセンチになるなど、なかなか可愛らしいところもある当時の私であった。
列車を乗り継いで安来(宍道湖湖岸)まで行くのだが、本降りになった雨にはばまれ、松江に行く。
松江では本屋で立ち読みをする。せっかく放浪らしくなってきたのに、これでは全てが台無しである。
その後用もなく列車に乗り、車中で昼寝。ヒマになるとロクなこともせず、結局その夜は松江駅前のビジネスホテルに泊まったのであった。この日は駅前のジャスコで小ぶりのベニズワイガニを買い、それで晩餐。
どうもぱっとしない一日であった。ノートにもろくな記述がない。煙草も吸わず酒も飲まなかった歳なのでしかたがないのだが、無頼くらいは気取ってほしいところである。
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