1999/01/28 カジュラーホーへ

目を覚ますと既に7時45分。列車の出発時刻は8時15分なのだ。慌てて荷物を詰め、支払いを済ませてリキシャに飛び乗る。貧乏旅行の悲しい性で、こういう危急時にもご丁寧にリキシャ代を値切り、行きと同じ30ルピーで駅まで到着する。時刻は8時10分。
そして「シャタブディ・エクスプレス」は30分遅れだった。
こんなもんだ。
昨日と同じように車内では朝食が配られるので、変わり映えのしないそれを食べる。ところが、ボーイには44ルピーを請求される。フリーじゃないのか、と訊ねたら、始発駅からの乗客だけが無料なのだそうだ。なるほど。周りの客がほとんど注文しなかった理由がようやく納得できた。

ずいぶんと遅れて列車はジャンシーに到着。客引きに誘われるまま、90ルピーでカジュラーホー行きのバスに乗り込む。楽ちんだが慌ただしく、風情がない。トラブルがあれば不平が出るし、スムーズなら逆に張り合いがない。旅行者というのは、とかく贅沢な注文をつけたがるものだ。
乾いた荒野の一本道を4時間、途中5分の休憩のみ。カジュラーホーに到着。バスという乗り物が嫌いなので、どっと疲れる。
バスを降り立つと群がってくる客引きの中に、泊まろうと考えていた「Hotel Lake Side」のそれがいた。彼に話しかけるとサイクル・リキシャを用意され、5ルピーでホテルへ。
100ルピーで小綺麗、ホットシャワー付き。昨日からホテル運は上昇中だ。

ホテルは中心部の少し南側にある。この村の観光資産、寺院公園までは歩いてすぐ。折角なので、まずはそこまで向かうことにする。
公園は遊歩道や芝生が整備されていて、リスの姿も見える。点在する遺跡を、一つ一つ眺めて回る。

このカジュラーホーの遺跡はその彫刻で世界に知られている。

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インドが誇るハウ・トゥー・セックスの聖典「カーマ・スートラ」をそのまま彫り込んだエロティックな彫像が、外壁一杯を装飾している。アクロバティックな性交体位 の数々。ほうっと感心しながら見上げていると、いかにも新婚旅行といった風情のインド人カップルが何事かを囁き合いながら通 りかかっていった。正直言って、そのカップルのほうがよほどヤラしく見える。さぞかし、こんな場所で恥じらう新妻を冷やかすのは至福の楽しみだろう。

kha_relief.jpg

今日も相変わらず、夕食はターリー。とにかく人が寄ってくる。

服を誉める男。
日本語ペラペラの少年。
詐欺の手口を一つずつ紹介し、最後には「自分はしない」と強調する男。

こんな連中が僕の前に文字通り列をなし、入れ替わり立ち替わり下手くそな作り話を披露する。いい退屈しのぎではあるけれども。どいつもこいつもそろって学生だと自己紹介する。客引きにだって、不文律のマニュアルはあるみたいだ。

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