この旅行、前提は無し-08

切符をなくしてメランコリィな気分になりながら、また身延線に乗る。特急で20分も行くと下部温泉駅に到着。ずっと富士川や山嶺が眼に映る車窓が、切符代のことを少し忘れさせてくれる。

駅から山道を10分ほど歩くと「下部温泉会館」があり、下部川を見下ろしながらぬるい湯に入れる。駅前に戻り、小じゃれた喫茶店で少憩。

次は甲府市内の善光寺駅で降りる。ここの善光寺は、長野のを武田信玄が無理矢理移転させたものなので、まぁ分家みたいなものだろう。寂れていたけれど。
善光寺へ向か道すがら、民家の横ちょや駐車場の軒先がふつうに葡萄棚になっていて、さすがは果物の国って感じ。また駅まで戻り、甲府に出る。やっと服が乾いてきた。盆地の夕暮れは蒸し暑い。夕日の向こうに富士山が見える。考えてみればこの2日間、富士山をぐるっと回ったようなものだけれども、富士山を見たのは初めてだ。今ひとつの天気だったしな。

雲の上に薄ぼんやりと見えているのが富士山(のはず)。

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