ワンルームマンションに住んでいるというのに、ひたすらパソコンが増殖中。「ファイルサーバを立てたい!」という切なる欲求のもとに、PC-UNIXを導入することにしました。・・・が、なかなか思うようにはいかず、苦戦しています。その様子を報告します。
サーバ用マシンに選択したのは、かなり旧型のMacintosh、LCIII。というわけで、OSは今流行りのLinuxではなく、NetBSDになる。Free-UNIXのなかでは、かなりの機種に移植されている。
13000円でSCSIのハードディスクが手に入る。中古で、Quantumの2GB。
これをLCIIIにつなげてやれば、問題ないはず、だったのだけれども・・・。
LCIIIにはCD-ROMがついていないので、外付けのドライブからシステムを起動することになる。ところが、ドライブが純正でないことも手伝って、CD-ROMブートができない。しかたがないのでPowermacintosh7600/120に買ってきたハードディスクをつなぎ、フォーマットしてからパーティションを切る。
その次に古いLCIIIのハードディスクを同じく7600/120につなぎ、この中身をZipに転送。ZipをLCIIIにつなぎ、また買ってきたハードディスクにシステムをコピーすれば万事OKのはず、なのだけれど・・・。
なぜかこのハードディスク、電源を落とすと未フォーマットのディスクになってしまう。とほほ。どうやら推測するに、ジャンパピンの設定がまずいようだ。マニュアルなど何もないので、買った店に持っていって尋ねてみるほかしょうがない。はあ・・・。
と思いきや、QuantumのWebにマニュアルがちゃんとあるではないか。ジャンパピンをちゃんと設定してやったら、無事HDDを認識するようになった。
次なる難関は「外付けCD-ROMドライブをどうやって認識させるか」なのだけれども、この東芝製ドライブのドライバーは、ネットを探し回っても見つからないし、わざわざCD-ROMドライブの認識だけにユーティリティーソフトを買うのもばからしい。そこで、
・Zipディスクに、PowerMacから起動システムを作成する。
・そのZipからLCIIIを立ち上げ、HDをフォーマット&パーティション切り。
・2台のMacをHUB経由でイーサネットでつなぐ。
・この2台でディスク共有を行い、PowerMacのCD-ROMをLCIIIから認識させ、BSDインストールに必要なファイルを全部ネットワーク経由で転送。
以上のなかなか便利で簡単な(マックはネット構築がとにかく簡単)方法により、無事NetBSDインストールに成功。ここまでは大変順調である。
やった。NetBSD起動に成功。後はネットワークとX-window(UNIXをGUIにしちゃう機能)の設定だけ。
そのままX-windowのインストールをする。
思ったよりもあっけなく、白黒だけどX-windowが立ち上がった。しばし感動。画面が狭いし反応がやや遅いので、コマンドラインのほうが快適だけど・・・。
さて、次はNICの認識。
ところが!ifconfigコマンドでネットワークデバイスを調べてみると、LCIIIにささっているNICをBSDが認識していない。さっそくインターネットで情報を集めてみたところ、このNICはBSD非対応なのが確実、ということが判明。とほほほほ。ちなみに、NET-Gという名称のカードでした。
仕方がないので、確実に対応しているASANTE製のカードを買ってこようと思う。とはいっても大阪は日本橋では入手できず、人に頼んで秋葉原で入手。
もう一度BSDをインストールし直した後、起動してネットワークカードが認識されているかどうか確かめる。ばっちりとデフォルトで認識されている。
あとはインストール作業を続けるだけ。ネットワーク設定も終わり、残りはSambaとNetatalkを入れるだけ。この二つは、それぞれWindowsとUNIX、MacとUNIXを接続するためのサーバ機能です。
もともとLANを組もうと思ったきっかけはファイルサーバのみでなく、「こんだけマシンがあるのに、TAしかないのは悲しい!ルータ買うのももったいないし、ダイアルアップサーバを立ち上げてどのマシンからもネットにすいすいつながるようにしたい!」というのもあった。
ところが、どうも調べてみると(へなちょこな)ダイアルアップサーバを経由してネットにつなぐには、いちいちコマンドをたたく必要があるみたいだ。ここは奮発してルータを買うことにしようと思う。
ルータ導入は問題なしに進む。問題なのは、ISPの用意したProxyサーバを設定できないということである。設定すると、ルータのローカルIPアドレスに接続するより先にProxyサーバを読みに行ってしまうのである。仕方がないのでProxyを設定しない。別段問題はないのだが、気色が悪い。
これも不思議なことに、MacはProxyを設定しておいても問題なくネットにつながる。なぜかは知らない。
ルータ自身の設定にはwebからのユーティリティーを使っているのだけれど、細かい設定ができない。そういう願望を持つ人たち向けに、コンソール画面からの設定もできるようだけれど、根性なしにはちと辛い。
以上、「ただの使用には問題ないけれど、ちょいとこみ入った使用がまだできない」というわがルータでした。
もう一つおまけに、BSDからどうやってルータを通してネットにつなげるのか分からない。rc.confに設定を書き込むのだろうけど、どこをどうすればいいのだろう。ヤマハのホームページにも、そんなマニアな設定は書いていなかった。
とりあえずちゃんと固定のローカルアドレスを振る。
192.168.0.11・・・BSD 「Bangkok」
192.168.0.21・・・Win 「Suchothai」
192.168.0.22・・・Mac 「Ayutthaya」
マシン名にはすべて「タイの都市名」をつけることにした。ついでにいうと、98NOTEは「KoSamet」で、WinCEは「Chiangmai」だぁ。
ネットワーク設定も終わり、次はSambaとNetatalkを入れるだけ。この二つは、それぞれWindowsとUNIX、MacとUNIXを接続するためのサーバ機能です。
ところが、このプログラムは圧縮した生ソースなので、今までのようにMac上からのインストールができない。BSDからはマッキントッシュのハードディスクが読めないので、何が何でも外付けのCD-ROMドライブを動かす必要性に迫られる。ネット上を探して、何とかCD-ROMドライブのMac用汎用ドライバを見つけだし、BSD上からマウントできるようにする。
あとはソースを読み出してインストールするなのだけれども、なぜか解凍・コンパイルがうまくいかない。必要なファイルが生成されなかったり、Sambaなどはどこにもファイルが現れない。
そういうわけで、「UNIXはmakeコマンド一発でファイルがコンパイルできるから楽ちん!」という噂は嘘だったことに悩む。
結局ネットニュースなどで調べた結果、「どうもコンパイル用のソフトウェア自体がおかしいんじゃないか?」と思い、新たにリインストールしたら見事にmakeコマンド一発で展開に成功。コンパイルツールを入れていなかったという大チョンボ。
ところが、どうもNetatalkがdaemon(常時起動の状態)にならない。コマンドラインからのNetatalkの立ち上げ方もわからないので、ファイルサーバにはならずじまい。
標準でインストールされるFTPサーバ機能を使い、一応FTPサーバにはなったのだが・・・。ファイルは化けるし、たまに壊れるし、気を抜くと使えない。おまけに、FTPなので使い勝手は悪い。結局、「つながってるけどファイルサーバではない!」状態。何とかしてNetatalkを起動せねば。
昨日から少し進歩して、起動時に「Starting atalkd」という表示がでるようになった。一応、Netatalkを起動させようと我がBSDちゃんが頑張っているのはわかった。でも、起動しない。
「atalkd」とコマンドを打ち込んだら、普通は素直にnetatalkが立ち上がるはず。
なのに、「コマンドが見つからない」旨のメッセージがでる。なぜだぁ?
おまけに、参考書を2冊買い込んだのだけれども、書いてあることが違う。もうお
手上げである。今日は三宮へ本を探しに行ってきたのだが、役に立つ本はなく、立ち
読みでさらに混乱するばかりの内容。
と悶々としている間に、「PC MACLAN」という、マックとWindowsをピアトゥーピアで接続するソフトウェアのお試し版がダウンロードできることを発見。・・・そう、LCIIIはマックのままサーバにしてしまおうという気になった。
が、遅い。WindowsからMacへのアクセスが非常に遅い。私はLCIIIというマックがサーバ、Winがメインマシンという状況なため、WinからMacが遅いのは致命的でした。
この行き詰まりを打破するため、新しい本を買う。なんと「主婦の友社」からでているNetBSD本。ちなみに、主婦の友社が発売しているUNIX本はどれも結構レベル高いです。発行元と似合わない。
この本の通りにnetatalkをインストール、設定。この部分のインストールは、今まで読んだすべての説明書でやり方が違っているという、素人にはさっぱりわからない世界。
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やった。感動の瞬間だ。BSDサーバは「BANGKOK」としてマックから見えている。ドラッグ&ドロップでサーバにファイルをコピー。めっちゃ嬉しいよぉん。これにてNetatalkインストール、成功。ちなみに今までの失敗の原因は、どうも起動時にデーモン(あるサーバプログラムを最初から自動的に起動させること。たぶん)として読み込むときの設定ファイルがまずかったようだ。
ところが、「Samba」がうまくはたらかない。サーバは立ち上がっているし、Windowsからも認識できるのだけれども、なぜかアクセスできない。クライアント認証とパーミッションの設定がまずいのか??
結局Sambaが動かず、LCIIIをサーバにする計画が頓挫。しかたあるまい、次なる手段はLinuxか・・・