指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく

指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく ★★★☆☆
城山 三郎 (著) 新潮文庫


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夏らしい読書をしてみた。終戦記念日もころっと忘れていたので。
妻を、子を、親を置いて死にゆく若き指揮官たちは、たぶん今の私より若く、どのような気持ちで片道飛行の戦闘機に乗り込んだのか。その思いは知る術もないけれど。
昔、特攻の基地となった知覧の町に行ったことがあり、そのときも自分と齢の変わらぬ少年飛行兵たちの遺書を見ながら、胸に刺さり迫るものがあったことを思い出す。
で、そこらのジジイや小林よしのりかぶれもおんなじ思いに熱くなって、国を守るための大義とか言い出すんでしょうね。冗談じゃないや。戦争とも呼べぬ愚かな行為の中で死んでいった人たちの思いは、決して同じ過ちを繰り返すなという叫びだったと、僕は信じたい。

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2 Responses to 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく

  1. shin のコメント:

     過ちを繰り返してほしくないと受け止めても間違いではなかろうが、彼等の真実は彼等しか判らないと云う前提付きで云えば。
     彼等はやはり愛する父や母や兄弟や妻や子供や恋人の安寧を願って、一身を犠牲にしたのだろうと思います。人は国家や国体などという訳の判らないものの為に死ねるものでなく、当時の戦争の全てを理解していたわけでもなかろうと思います。
    具体的な誰かのためにこそ死ねるのだと思います。

     だから、そういった彼等の願いを無にすることなく、残った者達が、身近な誰かを二度と死なせることがないように、安寧な世の中を実現することが、彼等の死を賭した願いに応えることであろうと思います。

  2. 森島 のコメント:

    おっしゃるとおりですね。何のために死ぬのかを無視して、全てが美談で片付けられていく風潮には、風化を越えたいやらしさを感じます。

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