昔住んでいた家の一画で、僕は母とともに散髪されていた。
母は理髪師の言うがまま、父好みの髪型になるはずが、とても髪を切ったばかりとは思えない、ひどいざんばら頭になり。僕は鳥の巣みたいに、ひどくいびつに盛り上がった髪になり。
さすがに気もめいり、床屋さんには料金だけ払って退散してもらうことにする。玄関先で相対した彼は、水色の作業着に身を包んだ、精神薄弱の五十男だった。
身体をくねくねさせながら、僕は代金の明細を受け取り、代わりに8,000円少々を支払う。男が手渡してくれた領収書は、昔の国鉄の硬券きっぷみたいだった。
フロイト的に言えば、いったいどんな精神状態なんでしょうね。まったく。
今日はグランドハイアットでウイスキーでも飲む予定なので、さっさとお仕事切り上げる予定。お酒が好きなわけでは決してないのだけれども、飲むのが息抜きってのは否定できない毎日。だ。