雨が降りそうな中お出かけしている途中に、茶色の野良猫を見て、不意に夏目漱石の『吾輩は猫である』の一文を思い出した。
青空文庫より引用。
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
どこで生まれたか頓と見當がつかぬ。何ても暗薄いじめじめした所でニャー/\泣いて居た事丈は記憶して居る。
明治38年にこんな日本語の極みのような文章を書いてしまっているんだから、文豪の文章とは、すごいもんだ。
そして100年後でも、曇り空に猫を見たら思い出されるんだから。
そんなこんなで、ニャーニャー鳴いてみたら、誰か拾ってくれるのかもしれぬと阿呆なことを考えながら、地下鉄車中の人となる日曜日でした。名前くらいは付けてもらいたいもんだけれどもね。