記憶を乗せて

市内電車いろいろトップページ』という好事家向けのサイトがあり、その中には地元岐阜市の真っ赤な路面電車の写真もたくさんあるので、思わず見入ってしまう。僕が生まれた頃の岐阜市内の写真も何点かあり、原画を頂きたいと思うくらいの時代風景がそこにある。

僕が子供の頃だって、もう路面電車は現役第一線とは云いがたく、排気ガスを上げて追い越していく市内バスの横を、ちんちんとベルを鳴らしながら淡々と進んでいく旧時代の遺物だった。でも、薄暗い車内にニスのにおいが漂うあの何ともいえない乗り物が好きで、好んでゆっくりと流れるその時間に身を委ねたものだ。

来年の3月に、その路面電車が全線廃止になるという。すごく遠くまで来た気になり、こういうニュースにだけ21世紀にいる実感を味わう。廃止前、一度帰省して全線乗り通してみようと思った。

独りでぽつねんと、というのも悪くないものだけれども、誰かと一緒にというならば、やっぱり僕は祖母と乗ってみたい。むかしまだよちよち歩きのきかん坊だった僕の手をひいて路面電車に乗り、岐阜公園に連れていってもらった記憶を思い返しながら、今度は僕が彼女の手をひいて、まだ走り続けていたそれに揺られてみるというのも、すごくハートフルな一日のような気がするじゃないか。

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3 Responses to 記憶を乗せて

  1. Joh のコメント:

    私も廃線前に乗りたいと思っています。
    祖母も新岐阜に行きたいと言っているので、連れて行きましょうか。

  2. 森島 のコメント:

    うーん、これはハートウォーミングに決めたいので、僕だけで連れて行きたいなあ。

  3. 忘知忘顔 のコメント:

     言うだけならタダだよな!!!

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