南国の寿次第-19:Selamat tinggal! 2009/01/05

今朝も従業員がヴィラの表戸を叩く音で、一日がはじまる。毎日上げ膳据え膳でホテルの朝食だったけれど、それも今日が最後。帰国の日である。ホテルのチェックアウトタイムに、送迎の車が来ている。今回頼んだ代理店に、空港への送迎を依頼しておいたのだ。

で、ウブドから空港へ向かう途中、サヌールの海岸通りに「Jenggala Keramik(ジェンガラ・ケラミック)」という有名な陶磁器メーカーのアウトレットがあるので、そこに立ち寄る。我が家用の皿やお土産など、正規品の半額近い値段で買える。しかし日本のアウトレットとは違い、本当にB級品ばかり。釉薬に気泡が入っていたり、底の糸切りがゆがんでいたり。なるべく点数が多い品物から、程度が良いものを探すのがコツだった。

空港には昼過ぎに到着。とはいえ出発は夜の便なので、とりあえずクロークにバックパックと、土産たっぷりの紙袋を預ける。新婚旅行っぽいのは、僕らの格好よりもむしろこの土産物の量かもしれない。クロークは荷物1つあたり20,000Rp.(=¥180)と、悪名高い空港にしては良心的なお値段。

昨日日本食を食べたせいなのか、インドネシア料理を食べる気がまったく起きないので、クタのパラディソホテルにある「福太朗」で寿司、とする。ホテルそのものはなかなかゴージャスなつくりの大規模ホテル。こういうホテルには結局泊まらなかったのだけれども、両親などはこの手のホテルの方がお気に召したかもしれないな、とは思う。
バリ島はインド洋に面しているのでマグロの水揚げがあり、ここから築地まで空輸されるものもあるのだとか。せっかくなのでトロ握りセットを食べてみるが、確かにそこそこうまい。2人で勘定は750,000Rp.(=¥6,700)というから、現地の物価から考えるとかなりの水準。お茶まで有料だった。これはまあ、すべて輸入物なのでしかたないけれど。

腹もふくれたところで、そばにあるデパートの土産物コーナーで買い物。あちこちで見かけ、ウブドの舞踊でも使われているインドネシアの聖獣バロンの仮面が欲しかったのだ。道ばたの店ではずいぶん雑なつくりのものしか置いていないので、デパートに行けばよろしかろうとの算段。10cmくらいの小ぶりのものを、自宅用、実家用などと何店か買い求める。妻が払ったのでいくらだったか正確には覚えていないけれど、1つ1,000円は超えていたんじゃないかと思う。
これにてすべての行程を終え、何度も通ったデンパサール空港への道をタクシーで向かう。椰子の木も、猥雑な人混みも、賑やかな人々も、これで見納めだ。

最後に旅行中何度も支店を見つけて立ち寄った「EXCELSO」の空港店でカフェラテを飲み、荷物を引き取ってチェックインカウンターへ。土産が大量にふくらんでいるので、全部詰められるカート付きの大袋を購入。最初160,000Rp.(=¥1,400)だったものを130,000Rp.(=¥1,100)に値切って交渉。空港の売店で値切りがきくなんて、ゆるい国だなあ、と、いい意味で思う。
長い旅もここまで。明日から日常生活に復帰。僕らの結婚生活も、こんな南国みたいに底抜けに明るく、ユルい感じでいきたいもんだ。そんなことを思いながら、旅は終わる。いろいろあったけど、楽しかったインドネシア。Selamat tinggal(さようなら)! またいつの日か。

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