「そんなものは召使いに任せておきたまえ」

「そんなものは召使いに任せておきたまえ」「生活?そんなものは召使いに任せておきたまえ」

フランスの詩人(にして没落貴族かつ孤高の作家)リラダンの名文句。はじめてこの一文を読んだときには、魂を揺さぶられる思いがしたものだ。

で、市井に生きるしがない僕がこの言葉に感動するとどうなるかといえば、冷蔵庫の中身がえらいことになるんである。残念ながら召使いがいないので、生活は冷え冷えとした箱の中でむさって発酵する。思い出したくもない鯵の南蛮漬けと野菜室の果物。見ないことにして逃避。逃げても逃げても日々ってやつは、僕の傍らに留まり続けるけれど。すぐ横の冷蔵庫で。

凡々とした僕の解釈ですらこの悲劇的経緯を迎えることになったのだから、名文句の生みの親だってそりゃ没落するってもんだ。
冒頭の一文も一見武士の高楊枝風だけれど、実際にはオレンジでも腐らせたバルダンのきわめて実質的な心の叫びだったんじゃないか、というのが今思いついた解釈。確かに、誰かにお任せしておかないと考えることまで卑しくなってしまうのだ。
召使いはさておき、冷蔵庫整理したい。そんな僕の生活。

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