傍目八目:ライブドアのニッポン放送買収

傍目八目:ライブドアのニッポン放送買収ライブドアのニッポン放送敵対的買収について。

ニッポン放送株35%取得

インターネット関連会社のライブドアは8日、投信・投資顧問子会社のライブドア・パートナーズ(東京)が東京証券取引所の時間外取引で、ニッポン放送の発行済み株式総数の29.6%に当たる約972万株を買い付けたと発表した。ライブドア本体が持つ5.4%と加えるとグループの保有比率は35%に達し、経営決定に拒否権が発動できる議決権を獲得したことになる。

フジテレビ、ニッポン放送株取得目標を25%超に下げ

フジテレビジョン(フジテレビ)は10日、ニッポン放送株式の公開買い付け(TOB)について、TOB後の株式保有比率の目標を「50%超」から、「25%超」に引き下げると発表した。
(中略)
商法241条は、株式を持ち合っている企業のどちらかが25%を超える株式を持つと、相手側が持つ議決権がなくなると規定している。双方が25%超になれば、両方とも議決権がなくなる。
(後略)

ニッポン放送の増資も 堀江社長、フジに対抗

フジテレビジョンがライブドアによる間接支配を排除するため、ニッポン放送の株式公開買い付け(TOB)目標を25%超に変更したことを受け、ライブドアの堀江貴文社長は13日、テレビ朝日と日本テレビの生番組に相次いで出演し、対抗策としてニッポン放送の増資を検討する考えがあることを明らかにした。
堀江社長は「(フジテレビが25%超を取得しても)ニッポン放送が1%でも増資すれば(株式保有比率の)分母が増え、25%以下になる」などと指摘。ニッポン放送株をさらに買い進めて子会社化した後、新株発行などで株式総量を増やし、フジテレビの筆頭株主であるニッポン放送を通じてフジテレビの経営に関与する手法は可能、との見方を示した。

以上が現時点でのあらすじ。

ライブドアがフジサンケイグループの持ち株会社的なニッポン放送に敵対買収を仕掛け、それに対しフジテレビ側は、ニッポン放送の持つ議決権を無効化してグループへの影響力を最小にするよう対処、さらにライブドアが増資しちゃうもんね、と対抗策を打ち出して泥沼化。ちなみにこの増資については昨日の段階で予測してました。昨日僕と会話をした人には語ったと思うので、すげえなぁと再確認してくださいな(笑)。

さておき次はどうなるか。さあ大胆予想してみよう。ライブドアは「今回の株取得はM&Aコンサルティングとは特に関係がない」とコメントしている。ここがポイント。ライブドアの保有比率は35.0%、M&Aコンサルティングは18.6%(2005/1/5時点)なので、両者を合わせれば過半数を超え、最終的にプロクシ・ファイトに至ってもフジ及びその他の大株主を排除可能だ。そして目出度く増資も可能となる。

フジテレビ側は「TOB価格(5950円)は引き上げない」と早々に強気のコメントを出しているが、少なくとも世間に流れている情報が真実ならば、まったくゲーム理論的には馬鹿なコミットをしたものだと思う。キャスティングボートをM&Aコンサルティングが握っている以上、何としてもニッポン放送を防衛する必要があるフジテレビとしては、強気戦略に出るのは危険度が高い。ライブドアに過半数を確保されることを防ぐためには、間違ったシグナルを送るべきではない。仮に彼らが「建て前は強気、実際は裏でネゴネゴ」なんていうことを考えているのだとすれば辻褄は合うけれど、それでどれほどメディアのIRとして信頼が毀損するか、ということも考慮に入れるべきだろう。

さてここで僕がほりえもんならば、以下の手を同時平行で打つ。M&Aコンサルティングとはナシがついていることを前提に。

1:ニッポン放送株を、取得価額以上でフジテレビに売却できるかを水面下で打診。
2:フジテレビ支配をやめて欲しければ、ライブドアが取得したニッポン放送株と、フジサンケイグループが持つ産経新聞・扶桑社株を交換するよう水面下で打診。
3:フジテレビそのものの株も拒否権発動可能な水準(あと11%弱)まで購入する用意もあるとブラフをかます(実際にはあと最低でも650億円ほど必要なので実現性は低い)

要するにありとあらゆる選択肢を融通無碍に取りまっせ、とのメッセージを送り続け、相手方に自分が「絶対優位戦略」に乗っているのだという印象を与えそして果実を勝ち取る戦略だ。最低でもプラマイゼロ。あるいは新聞社か出版社をゲット。うまくいけばテレビ業界への食い込み。ちょっとリスクが高すぎるきらいはあるが、乾坤一擲の勝負にしてはヘッジできている方ともみえる。

さておき、互いが互いの立場を強気と見るか弱気と見るかで展開が左右されるという意味で、結局今回の話はグリーンメーラー型の筋書きであり、世間が騒ぐほど斬新な話かなぁと思わざるを得ない。世間が騒ぐのは「たかがネット」が「天下のテレビ」にケンカを売ったという一言に尽きるのだ。そういう世評心理を垣間見るにつけ、ネット業界にいる僕としてはライブドアに頑張ってもらいたいものではある。

参考:
またまたぁ、みーんなほりえもんに釣られてぇ~(笑):R30::マーケティング社会時評
そういえば、堀江氏のニッポン放送株式大量保有の件:切込隊長BLOG

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傍目八目:ライブドアのニッポン放送買収 への6件のフィードバック

  1. 竹内克仁 のコメント:

    リーズナブルな分析に感服します。
    これは私の直感ですが、日経あたりを間に立てて手を打つのではないかと思います。

  2. 森島 のコメント:

    どうもありがとうございます。
    日経とライブドアって仲良いんですかねえ。ベンチャー系にありがちなのは、日経と仲良くなりたいけれど無理なので日経ビジネスと仲良くなるってパターンなんですが(苦笑

    話の展開に無理がありすぎるので、結局はフジテレビに株売ることになりそうな気もしますが。そしてめでたく今Qも増収増益(冷笑)♪

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