時代小説とお仕事

時代小説とお仕事最近池波正太郎とか司馬遼太郎とか隆慶一郎とか、わりと貪るように読んでいる。何だかライフスタイルがちょびっと変わってきた気がしないでもない。もう少し正直に言うと、本を乱読するのは昔からのことだけれども、読む本のジャンルと受け手=僕の感想が変わってきたってことだろう。昔読んで面白かった本や漫画などが、再読してさらに深い世界を見せてくれるのは本読みにとってたまらない快楽です。こういうことがあるのなら、ジジィになるまで長生きするのも楽しみってもんだ。まぁ、ジジィの再読に思い馳せる前に、精々いろんなものを読んだり見たりすることに努めたい。

時代ものを読んでどうしても我が身に置き換えてしまうのはそれこそちょっとずつおじさんワールドに入っている証左であって、もうちょっと東洋経済的な話をすると、ついつい自分の立場を歴史になぞらえて比喩にしてしまいたくなる。

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織田家と徳川家が目出度く同盟を結んだのはいいけれど、徳川が強くなってくれることこそが織田の至上命題。残念ながら織田にはそれほど余力がない。とりあえず織田家から徳川家にちょびっとばかりの援軍を連れて派遣将校に行かされる。東のことは良く分からない織田の上様の厳しい要求を、ひぃひぃ言いながらなんとかこなしてとりあえず新領地獲得。

獲得したけれど年貢が上がらないので、新領地の民政をしなければならないが、徳川軍は人手不足。己と援軍勢でやるか、と盛り上がるが、それはそれで武田とか上杉とかも視野に入れた新戦略を練れという指令が出て、ついでに手が足りないと言うなら同盟軍を増やしてやろう、との連絡を受け、よく分からないままにあんまり動かない北条と会談。手の足らない部分を補ってくれる同盟軍になるはずが、動け動けと逆に北条からは矢のような催促がくる始末。

それはそれで、今度は織田本体が西の強敵毛利と全面戦争をするので、補給部隊を前面指揮しろという。浜松あたりにいた援軍を本国に引き揚げさせて徳川に不信感を抱かれながら、外交戦だけで何とか東を抑えようとしつつ、今度は京都あたりに出向いて補給作戦に参加。参加してびっくり、驚きの新兵器鉄甲船を短期間で造れという話になっており、良く分からないので九鬼水軍とかその道のプロフェッショナルにお伺いを立ててみるが、どれもこれも困難だという話でいったい自分は上様のご下知を守れるのかどうか自信喪失。それはそれで張りぼてなど造ったら切腹もので、気分はまったくもって混迷模様。

それはそれでいつの間にか徳川軍が民政もそこそこに前線を拡張しており、織田の上様は援軍を寄越すと約束したと詰め寄ってくる。そのうち三河武士に上様への直訴をされるか、三河武士を見殺しにした卑怯者呼ばわりされるか、二つに一つ。ついでに北条との同盟が実を結ばないのは、全て対応が後手々々になっているおのれの責任だということになる。

で、小説ならどういう結末になるかを予想してみる。

架空戦記的な結末
すごいよ、神出鬼没の才でミッションコンプリートだよ!

山岡荘八的な結末
上様の前で開き直り、窮地を脱して新戦略が立てられる。

隆慶一郎的な結末
全てを上手く解決するウルトラCを探りながら、最後には画餅と帰して平凡な結末を迎える。

司馬遼太郎的な結末
どっちつかずでぐだぐだになったけれど、両方とも深手にならず人生ってこんなもんだなぁと呟く。

池波正太郎的な結末
悲劇が起こるけれども我が身は何とか助かり、さらに辺縁の新領地に行かされる。

藤沢周平的な結末
世をはかなんで出奔する。

・・・出奔、かなぁ(嘘)。

結末はさておき、我が事とはいえ喩えてみるという作業は結構面白いものでした。ほんとうに。

書き終わって気がついたけれど、この文章のキーワードは『それはそれで』だ。僕もそういうこと言ってみたいなぁ。

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