お前はまだ、濡れたシャツを愛しているか?

昨日、古くからの先輩と、最近親しくなった若き友人と、三人で飲んだ。二人には共通点があって、どちらも今春からベトナムで働き始めるということ。

先輩はベトナムでスタートアップを始めるために移住。後輩は現地採用でとにかくアジアに飛び込んでいく。

壮行会である。まさに壮児行く会だ。

二人の話を聞きながら、僕にとって、ひょっとしたら自分がこうだったかもしれない、逆に自分には踏み出せない道を歩いていく二人なのかもしれないな、と思いながら盃を重ねた。羨ましさを感じながら。
日本で給料もらっている身分で羨ましいという台詞を吐くことは、ずいぶん勝手な感情だとは自覚するが、あえて羨ましいと言わせてもらおう。

彼らの蛮勇と信念に乾杯。
そして己を省みる。

乗り続ける奴もいるし、きちんとセトルダウンできた奴もいる。僕はどちらなんだろう。こう見えて、自分の有り様は保留したままだ。まだ。

吉行淳之介の小説に「青春とは濡れたシャツ」という言い回しがあって、とても好きな一文なのだけれど、この歳になったからこそ、あらためてこの一節が思い浮かんでくるのだ。

“お前はまだ、濡れたシャツを愛しているか?”

そんな感傷的な週末。

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