翌日は早朝に起き、7時すぎに本八戸駅から八戸線久慈行きに乗る。
八戸線なんて、こういう機会でもなければもう乗ることもなさそうだ。列車は3両編成の昔なつかしディーゼルカーで、東北だけあってエアコンもついていない。
車窓にはずっと太平洋が広がり、景色のよいことこのうえない。車中のおばさんたちが会話している東北弁に耳をかたむけ、何をしゃべっているのかさっぱりわからないことに愕然とする。目をつぶっていると外国にきたかのようだ。ニッポンはまだまだ広いんだなあと、旅情もあらたに列車はことこと進む。
久慈駅は閑散としていたけれど、駅から歩いて10分ほどのところに物産館があり、地元の農産物やら海産物やらがずらりと並んでいる。三陸昆布がびっくりするくらい安いので、ダシ用に買い求めたりして時間を潰す。外には鮭が干してあったりして、まことに素朴な物産館だった。
1時間ほどの折り返しで、列車は八戸行きとなってもと来た線路を引き返す。