ゲーム

友人と電話をしていて、「不確定な時代をどのようにして生きるか?」という、至極真面目な話題になった。

安定期にはトレンドと自分のいる場所の「差異」の間にある振幅だけを見ていればよい。この時期のトレンドは線形的予測が当たる場合が多いので、この場合の変数は「自分」だけ、つまり一項方程式になる。
ところがトレンド自体も変動が激しい時勢の中では、この関数のもう一方の項、つまり世界が揺れ動く。この場合の方程式を解きやすくするためには、もう一つの項である「自分」の有り様を、ここと定めるのが必要なのではないか。自らの信念をしっかと定め、一度決定したらなまなかなことでは揺れ動かずに泰然と構える。そうして、いずれ世界の振幅が自分に寄り添う時を待つ。
賭け事を全くしないのでよくは分からないけど、このやり方はカジノの必勝法と同じだろう。世界はゲームなのだ。


アメリカのテロ事件を巡る世論は大変ヒートアップしているようで、とりあえず戦争が始まるようだ。評論家諸氏はもう大はしゃぎなんだろう。テレビを見るのも嫌なので、新聞を読むだけにする。犠牲になった人たちが、家族に向け携帯電話で最後の言葉を伝える情景の報道に、僕は泣きそうになった。
アメリカの正義だとかアラブのジハードだとか、あるいは戦争のシミュレートや世界経済への影響、そういうものに関心がないわけではないけれど、意識的に考えないようにする。無辜の人々の死までもを、ゲームの中の一場面として認識することこそが、僕は罪なのだと思う。政治家や軍人ならともかく、ごく普通の市民である僕は、ただその悲痛に瞑目するだけにしたい。

ゲームから真っ先に降りることこそが、この場合僕が出来る、たった一つの黙祷だ。

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