昨夜は、南洋航路の奴隷船もかくやと思わせるひどいフェリーで雑魚寝をし、隣の西洋人の寝相の悪さ(というより、そもそも狭すぎる船内に詰め込み過ぎだ)にうんざりしながら、それでも寝入って気がつけばタオ島。雨降り。
船着き場のすぐ横に営業中の食堂があったので、雨もそのうち止むのではないかと淡い期待を胸に、ちびちびとコーヒーをすすりながらiPod miniを聴いていたら、イヤフォンを通してでも聞こえるどしゃ降りに変わる。やれやれ。
小雨に転じたところで、客引きのいうがままに連れて行かれたのは、島の南端にあるとあるバンガロー。絶景の高所にあり、特に問題はないのだけれど、水シャワーのみ。おまけに繁華街から遠い。
一念発起して、ガイドブックに書いてある高級ホテルを目指すことにする。とはいえ素朴な島のこと、値段を訊ねてみるとエアコン・ホットシャワー付のコテージが、ディスカウント・レートで2,900バーツ(9,000円弱)とのこと。独り旅だといささか尻込みする価格ではあるけれど、まあいいや。昨晩が昨晩だったし。値段にしては素朴なバンガローなのだけれども、電気と水の高い孤島では、あるクラスの宿から急激に値段が跳ね上がるのはやむをえない。・・・だいたいルームチャージだから、そもそも独りでリゾート・コテージに宿泊する客の都合は値段に反映されてはいない。
心配の空模様ももう晴れ上がり、椰子の木の木陰が路面に浮き出ている。さあ、ブランチを摂ったらボートに乗り、離れ島にスノーケリングとしゃれ込もう。朝の雨のせいで海が濁っているんだろうけれど、細かいことは気にしない気にしない。