ニート―フリーターでもなく失業者でもなく
★☆☆☆☆
玄田 有史, 曲沼 美恵 (著) 幻冬舎
話題のニート(Not in Education, Employment or Training)について、インタビューや自治体の取り組みをもとにした解説書。とはいえ、ルポタージュとニートへのエールともとれる文章が大半なので、それほど内容が濃いわけではない。
著者はニート発生の要因として
・労働市場
・教育問題
・家庭環境
を仮説として提示している。この仮説そのものに異論はないのだけれども、著者の結論にはどうもぴんとくる納得性が無かったので、自分でもニートなる存在については別途考えてみたいと思わせる。それが著者のねらいだとするならば、この本は問題への導入口として成功しているのかもしれない。
誰がニートになってもおかしくないと言わんばかりの筆致は、社会、というか40歳以上くらいのおじさん世代への警鐘になりうる一冊といえる。